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『生前成仏』で『感受性革命』し『福徳創造体質』に!!

『拘り』
2018-10-05 Fri 20:11


こんばんは。



藤色聚楽です(^^)



今夜のお題は、









『拘り』









父は。



戦時中の記憶はほとんどない。



終戦当時は満3歳を過ぎた頃。



ただ『空腹感』だけが鮮明に残っている、という。






終戦当時の都市部は本当に食べるものがなかった。



じゃがいも、さつまいも、かぼちゃ等に。



有り付くことができれば非常に幸運なことで。



芋、ならぬ『芋のつる』を。



『道端の雑草』を湯がくことは普通だった。






この『伊勢湾台風』において。



父は。



『それまでの日常を失う』



ということを。



身を以て初めて経験した。






父の母や姉達にしてみたら。



戦時中に家を焼き出され。



戦火の中。



都市部を十数ヶ所も移動しながら生き永らえたことを思えば。



『これで済んだのだ。』



というのが率直な気持ちだったという。






後に父が自分の家を建てる際。



建築士さんとの打ち合わせの度に。



『伊勢湾台風』を度々、口にしていたことが。



今でも私の幼い頃の記憶にある。






2018.3.15『名は土地の歴史を語る』



2018.3.16『水辺のにおい』



2018.3.17『歴史を記録する力』



2018.3.18『土地の改名』






等にお書きしましたように。



私自身の『土地』に関する感覚や考えは。



父からの影響そのものである。







『水害』に関して一層、懸念していた父は。



『土地選び』をする際。



『内陸側』に拘り。



また『河川の位置関係』。



『地盤の固さ』にも拘った。






建築方法についても。



『基礎工事の内容と期間』に時間をかけ。



路面からは、80㌢程『積み上げて』建てる等。



『路面と水平にはしない』ことにも拘った。






また家の『強度』についても。



建築士に何度も訊ねて。



あれこれ熱心に勧考していた姿を今でも思い出す。






『第二次世界大戦』『大災害』を生き抜いて来た父には。



私の生き様など。



生温く映ることであろう。






今現在も父は。



健康体を保ち。



現役で働き続けている。








父には敵わない。



















今夜はここまで。


本日もお読みくださり、ありがとうございます。


藤棚の下で。
また明日(^^)w゛



2018.10.5 藤色聚楽

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『黒い煙』
2018-10-04 Thu 21:23


こんばんは。



藤色聚楽です(^^)



今夜のお題は、









『黒い煙』









まだ水が引き切らない足元の中を。



どれくらいの木材を運んだだろうか。






随分と木々が集められている敷地の隣では。



自衛隊員が土を掘り起こし始めていた。






とにかく、あるだけの木材が必要とのことだった。



この周辺ではもう尽きてしまったので。



近隣の隣町を。



まだ真昼は夏の陽射しが残る中。



飲める水もなく。



何度も何度も往復した。






そしてその敷地では。



木材を届ける度に。



低い足場のような櫓が。



長く広く何列も。



出来上がっていった。






また。



その隣の敷地では。



自衛隊員が掘り起こしている。



山盛りになった土の向こうからは。



顔を歪めるほどの異臭がしていた。






思わず鼻と口を覆い隠し。



父たちは風が吹く方向に顔を背け。



再び木材を調達しに歩いた。






その臭いが届かない距離まで。



皆が自然と早歩きになった。






それから長い時間。



出る汗も尽きそうなほど歩き続けて。



再び隣町に差し掛かった頃。



『今日は高校生はここまで。ありがとう。』と声がかかった。






皆がそこで力尽き、空を仰いだ。



いつまでこのような状況が続くのか見当がつかず。



ただただ、空を見ていた。






暫くして。



暮れかかる西空に目を向けた時。



あの敷地の方角に。



大量の『黒い煙』が上がっていた。






仲間たちは顔を合わせて。



何なのかを皆が悟った。






誰もが黙ったまま。






そっと手を合わせて。







合掌をした。




















今夜はここまで。


本日もお読みくださり、ありがとうございます。


藤棚の下で。
また明日(^^)w゛



2018.10.4 藤色聚楽

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『知らない街』
2018-10-03 Wed 21:29


こんばんは。



藤色聚楽です(^^)



今夜のお題は、









『知らない街』









夜が明け始め。



暗闇に青く浮かび上がる荒野は。



遠浅の海のようになっていた。



見渡す限り一面に。



壊れた家々がガラクタになって突き出ていた。






悪夢のような暴風雨はとうに去り。



空は雲が切れて。



また星が見えていた。






家族は全員、無事だった。



終戦に近かかりし、あの歴史的大空襲の日と同じくして。



父の家族は全員、無事だった。






戦後。やっとの想いで。



家族皆で建てたこの家を失っでも。



一番気丈だったのは。



父の母だった。






『皆が無事で良かった。命があるならもう大丈夫。』






水に腰まで浸かりながらも。



声さえ詰まらせず、そう言ったという。






空の青みが増し、東方が白んできた頃。



あちらこちらから人の声がし始めた。






父の家族に声をかけてくれる人。



自分の家族を探す人。



助けを求めている人。



泣いているだけの人。






陽が昇り、全てが明らかにされた景色は。



昨日、普通に学校から帰宅したはずなのに。



全く初めての全然知らない。



間違って訪れた。



『未知の次元』に思えた、という。






それから父は。



来る日も来る日も。



瓦礫を片付けていた。






自分の自宅から流れ出てしまった大事なものは。



何も見つけることは出来なかった。






ご遺体らしきものを発見した時は。



もしも知っている方であるとショックを受けるので。



なるだけお顔を見ないように。



口元や喉元に視線を移しながら。



丁重に運び出した。






幾日かして集会が行われた高校では。



各クラス。



背の順で並んだ時の後ろから5番目までの男子生徒は。



不測のこの事態の人手不足を補うために。



力仕事要員として、自衛隊の方々の補佐に借り出された。



後ろから3番目であった父も、そこに含まれた。






まだ使えそうな大きな木材を。



父たちは言われるままに。



二人一組で延々と運び続けた。






その運ばれた木材は。



水が引いた公園くらいに広い敷地に。



ゴロゴロと並べられていった。






父たちはそこで何が行われるのかは。






その時はわからなかった。




















今夜はここまで。


本日もお読みくださり、ありがとうございます。


藤棚の下で。
また明日(^^)w゛



2018.10.3 藤色聚楽

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『掛け合う声』
2018-10-02 Tue 19:58


こんばんは。



藤色聚楽です(^^)



今夜のお題は、









『掛け合う声』









父は。



突然、柱から引き離された土壁の隙間から。



川を見た。






普段は道であるはずの道を。



もの凄い勢いで流れていた。






『水!』



とその時、姉が叫んだ。






そして足元の畳が浮き出し。



天井から雨が漏ってきた。






父の足元も水に浸かろうその時。



土壁は完全に外れ。



自分に向かって倒れてきた壁を。



思わず父は。



『壁』と『自身』が。



『人の字』になって。



とっさにそれを支えた。






水分を十二分に含んだ壁は非常に重く。



顎が砕けてしまいそうなくらいに。



グッッと奥歯を噛み締めていた。






続いてあっという間に。



外の道を流れていた川のような水が。



『土壁』と『父』を中洲にして。



一気に家の中へ流れ込んできた。



勢い余る水圧で。



壁の傾きは増すばかりだった。






そしてダダ漏れの天井からは。



脅しをかけるような異音を立てて。



狂風が吹き込んで来た。






天井板が次々飛んだ。



『もう屋根もないのか。』



気がつけば。



全身ずぶ濡れになっていた父はただただ悔しかった。






街中が停電している中。



自分以外の家族が。



倒壊した家の中の何処に居るのかもわからなかった。






荒れ狂う暴風雨の中。



轟雨と狂風に掻き消されそうになりながらも。






家族は。






『掛け合う声』を。






絶やさなかった。


















今夜はここまで。


本日もお読みくださり、ありがとうございます。


藤棚の下で。
また明日(^^)w゛



2018.10.2 藤色聚楽

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『それは突然始まった』
2018-10-01 Mon 22:21


こんばんは。



藤色聚楽です(^^)



今夜のお題は、









『それは突然始まった』









家族総出で玄関を出た。



静まり返った夜空を見上げていた。



『でも。雲の流れが早いね。まだ雲は低い。』



父の母は呟いた。



『これは台風の目じゃないかね.....?』






程なくして、一息着いた頃。






それは突然始まった。






前触れもなく突如。



轟音を立てて凄まじい突風が吹いた。



自宅のトタンを鳴らし。



支える柱を軋ませ。



屋根の上を何か大きなものが。



ガラガラと音を立てて弾むように通過していった。



そして次々と突風のような強風は続き。



沢山のガラクタが家の外を駆け巡っている音が続いた。






家族全員が、おののいた眼差しで目を合わせた。






そして、電気は消えた。






すぐその後。



今までに聴いたことのない。



けたたましい豪雨が自宅の屋根を叩きつけてきた。






家族が何を言っているのかも聞き取れないほどの雨音は。



手加減なしに勢いを強めていくばかりだった。



いったい外がどうなっているのか。



雨戸を閉めてしまっているため。



玄関を開ける以外に術がなかった。






恐る恐る玄関へ近づいてみると。



擦りガラスの所に打ち付けている雨が。



バケツで水をぶっかけられているように。



滝水のように流れていた。






今で言う『ゲリラ豪雨』のようなものとも。



比較にならないほどの降り様だったという。






暴れまくる風は。



まさに『狂風』で。



上からも横からも。



全力で吹いてくる度に。



家の柱が暗闇にも。



狂風のリズムに合わせて。



軋みながら斜めにズレるのがわかった。



それらは屋根裏にも侵略してきて。



今にも『家を吹き飛ばしてやる』と言わんばかりに。



まるで。



『脅されているようだった』



という。






ろうそくの灯りに家族皆が寄り添い。



とにかく早く収まることを願っていた。






『狂風と轟雨』に脅され続けて。



随分と時間が経過しているように感じている頃。






急に風雨が『バーン』と大きくなったのだ。






父の背後の土壁が。



柱から引き離された。






風雨が吹き込んでくる割れ目を覗き込み。



父は絶句した。






家の外が『河』になっていた。






東西を横切る河川に程近いその家は。






戦後にやっと。






父の母や兄弟姉妹が。






力を合わせて建てたばかりのものであった。



















今夜はここまで。


本日もお読みくださり、ありがとうございます。


藤棚の下で。
また明日(^^)w゛



2018.10.1 藤色聚楽

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