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『生前成仏』で『感受性革命』!

『彼女の背中』
2019-09-30 Mon 22:13


こんばんは。



藤色聚楽です(^^)



今夜のお題は、









『彼女の背中』









~昨夜の続きです~






信号機が全く機能していない交差点。



それらが。



進んでも進んでも続く風景が。






こんなにも。



街が死んでいるように思えて。



薄気味悪いことなど。



想像できていなかった。






また。



決壊した河川の水が。



引いた後にも尚。



街の色を変えてしまう程に。



爪痕を残して行くことも。



考えたことがなかった。






更に南下してゆくと。



決壊した河川の堤防が見えてきた。






家々が立ち並ぶ区域が近づくと。



その手前にある。



汚泥が覆っている飲食店の駐車場に。






デリバリーのカレー屋さんや。



軽食販売の車両が並んでいるのを見た時。






この地域の方が。



食事もままならない状況にあることを。



目の当たりにした気がして。






『災害に遭っている』






という現状を。



突きつけられた。






彼女の家へと続く交差点を。



右折して。



彼女の家まで数百メートルの所まで来た時。






私は。



見舞いを試みた自分を。



少し後悔した。






まだ。



汚水が残る道路は続き。



どこのお宅も。



家の窓を全開にして。



家族総出で。



水に浸かった家財道具を運び出し。



泥にまみれて汗をぬぐいながら。



懸命に片付けに励まれる姿が。



延々と絶えなかった。






線路を潜り。



すぐの角を曲がったら。






彼女の姿が目に飛び込んできた。






懸命に。



復旧作業に勤しむ。



『彼女の背中』



が。






一変した日常に反して。



とても凜として気丈だった。






私はやはり。



来てはいけなかったと後悔した。






私が。



熱を出した子供を後部座席に。



波立つ道路を強行して。



家路に着いた恐怖など。



屁でもなかったことだと。



恥ずかしく思えてきた。






家屋の被害は。



日常を奪うと同じ。






自分がこの状況に。



寄り添える術など。



同じ状況に遭わなければ。



成り立たないことである。



と痛感した。






それほどに。






災害の爪痕に。










私は言葉を失った。

























今夜はここまで。


本日もお読みくださり、ありがとうございます。


藤棚の下で。
また明日(^^)w゛



2019.9.30 藤色聚楽

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『色がない』
2019-09-29 Sun 21:23


こんばんは。



藤色聚楽です(^^)



今夜のお題は、









『色がない』









~昨夜の続きです~






私は。



彼女の家族の無事が確認でき。



何よりだった。






ガスはまだ復旧できていないが。



電気と水道は使えるようになったとので。



食事は電気プレートで対応すると言っていた。





私は。



彼女の声を聴いたら。



じっとしていられなかった。






私は。



スーパーへ直行し。



焼きそばなど。



電気プレートで作れるものや。



保存が利くパン類などを買い貯めて。



彼女の家へ向かった。






普段は。



気が付かなかったことであるが。



道は平坦に見えても。



道路には意外に高低差は有るようで。






所々に。



水没したと思われる車が。



まみれた泥が乾いた状態で。



無惨な姿のまま。



置き去りにされていた。






そして。



道路を南下する程に。



その様な放置された車が目立つのは。






車の移動では気がつきにくいことだったが。



それだけ海抜も。



南に向かうにつれて。



低くなっているのだと視て取れた。






南下し始めて。



10分程の所には。



大きな敷地一面に。



多数の車が。



薄白く汚れたままに。



きれいに整列して。



停められていた。






私はそれが。



『車の墓地』



のように思えた。






それらの車の事情について。



後に知ったことだが。






その車は全て。



とある会社の社員さんの車で。



業務時間の間に。



一気に水没していく光景を。



オフィスの窓から。



ただ見ているだけしかできなかった程。






あっという間のことだったという。






そして。



更に南下して。



大きな道路と。



その道路に沿って流れる河川を渡った後。






荒れた風景は一気に加速する。






辺り一面。



汚泥一色で。



何にも。






『色がない』






と思った。






すると。



その一帯見渡す限り。



『信号機』も全滅していた。






各交差点では。



警官の方が交通整理をしていた。






長い年月に渡り。






葬られたままにされていた。






『色がない』









セピア色に沈んだ街になっていた。




















今夜はここまで。


本日もお読みくださり、ありがとうございます。


藤棚の下で。
また明日(^^)w゛



2019.9.29 藤色聚楽

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『雛人形』
2019-09-28 Sat 20:48


こんばんは。



藤色聚楽です(^^)



今夜のお題は、









『雛人形』









~昨夜の続きです~






彼女は。



いつだって。



自身のことよりも。



相手の状況を気遣い。






自身の苦悩や大変さを奥に引っ込めて。



大したこと等なかったように。



然り気無く振る舞うので。



私は頭が上がらないのだが。






大丈夫、大丈夫、と笑いながらも。



あの豪雨の夜。



私との電話を切った後のことを。



話してくれた。






互いが大雨を心配しながらも。



たわいもない話と。



次週の約束についての打ち合わせをし。



いつもの調子で電話を終えた後。






しばらくして。



ふと。



ザーという雨音とは別に。



自宅前の道路を流れる水の音が。



もっと大きくなっているように感じた。






道路に面する和室の窓を開けてみると。



先程よりも。



水嵩がグッと上がっていて。



流れが勢いを増していた。






積み上げて建てた為に。



中二階の高さくらいに位置するはずの。



その和室から。



流れている水が。



間近に流れる用水のように見えたという。






そして。



玄関のドアを開けてみると。



目の前に止めてある車の前方は。



水没し始めており。






玄関へ上がる為の。



ステップの階段の途中まで。



水が迫っていた。






『これは本当に決壊するかもしれない。』






と思い。



即座に子供たちを二階へ連れて行くと。






とっさに。



押し入れの上段の戸袋に仕舞ってある。






『雛人形』






を。



箱ごと取り出して。



必死で二階へ運んだという。






彼女はかなり小柄で。



先ず。



椅子に上がって取り出すだけでも。



容易ではなかったはずだ。






それを。



二階まで階段を上がって運んだとは。



火事場の馬鹿力の他ならないと思った。






『とにかく雛人形だけは絶対に護らなきゃ、水に濡らしてはいけない、ダメにしてはいけない、と思ってね。』






私は受話器を片手にうなずきながら。



その時点で胸がいっぱいになってしまい。



目頭に熱いものがジワッと上がってきてしまった。






私は。



彼女が古風な一面を持つ女性であることは知っていたが。



こういった時に。



彼女の母性の強さが。



娘たちの次に。



『雛人形』を護る。



というこの様な行動で現れたとは。



誠に恐れ入った。






そして彼女は。



その後。



備えられることを。



思い付く限り整えようとしていた時。






中二階ほどの高さに位置する。



あの和室の窓を。



誰かが叩き続ける音がしていたのだという。






普段。



その和室の窓は。



手が届く位置にはないはずなのに......。






彼女は。



まさか、と思い。



その和室の窓を開けてみると。






『今すぐ避難しましょう。乗ってください。』






と。



ゴムボートに乗った方が二人。



自衛隊員の方だった。






そして。



和室の窓から。



家族一同が。



そのゴムボートに乗ったのだという。






あの私との電話の後。



あの和室の窓から。



彼女の家族一同が。



避難することになったとは。






それまで私自身も。










考えてもみなかった。


























今夜はここまで。


本日もお読みくださり、ありがとうございます。


藤棚の下で。
また明日(^^)w゛



2019.9.28 藤色聚楽

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『救い』
2019-09-27 Fri 22:11


こんばんは。



藤色聚楽です(^^)



今夜のお題は、









『救い』









~昨夜の続きです~






私は。



少し恐る恐る。



自分の車にエンジンをかけてみた。






すんなりとかかったエンジン音は。



浸水の影響はなさそうだと判断した。






水没に見舞われたあちらこちらの地域は。



多数のポンプの力で。



水を抜く作業が早急に行われていることを。



ニュースでは伝えられていた。






雨が止んだことに。



比例するかのように。



私の住む地域の水は。



自然に掃けて行ったのだが。






街中のあちらこちらで。



故障した車が。



まるで乗り捨てられてしまったかのように。



気ままに好きな方向を向いたまま。



停車したままになっている通りが。



何十ヵ所もあった。






同じ市内の。



自宅から車で5分ほど南に住む友人の情報では。



数百メートル離れたコンビニから。



パンやカップラーメンが流れ着いていて。



返しに行こうと向かったら。



そのコンビニは。



シャッターの半分近くまで水に浸かっていて。



近づくことができなかった、という。






時間が経つに連れて。



ニュースの報道は。



様々な詳細がハッキリしてきていたが。






その中で。



大きな『救い』だったことは。



広範囲に渡る災害のわりには。



『命』に関わる報道が。



極少だったことだった。






私は。



彼女と家族が。



無事であろうことが見えてきた、と思った。






決壊した地域の安全が。



確保できたら。



避難を解除すると伝えていた。






私は。



汚泥を救うスコップが。



軽くなっていくような気持ちになった。






きっと。



連絡が来る時は近い。



そう思った。






『ねぇ。そちらは大丈夫だった?』






翌々日の朝。






固定電話から聞こえてきたのは。





自分の大変さよりも。






先ずは相手のことを気遣う言葉が出る。






菩薩様を思わせるような。









彼女の御心による『救い』の声だった。



















今夜はここまで。


本日もお読みくださり、ありがとうございます。


藤棚の下で。
また明日(^^)w゛



2019.9.27 藤色聚楽

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『無力さ』
2019-09-26 Thu 21:26


こんばんは。



藤色聚楽です(^^)



今夜のお題は、









『無力さ』









~昨夜の続きです~






彼女との連絡が着かず。



無事なのか。



避難できているかどうか。






辺り一面水没している。



ニュースの報道に。



気を揉んでいる中。






県外の遠方に住む。



共通の友人から。



着信が入った。






その友人も。



昨夜から。



彼女のメールの返信が途絶えていて。






朝、目覚めたら。



彼女の側を流れる河川が決壊していたことを知り。






彼女の自宅の固定電話も。



携帯電話も通じない。






そこで私にまた。



連絡がきた。






昨日は私も。



その友人とやり取りしていた。






その友人が。



最後に彼女とやり取りできたのは。



私が彼女と。



固定電話で話した少し前。






避難命令が出てから。



どちらとのやり取りも途切れたようだ。






テレビ画面に映る。



決壊した一帯に。



自衛隊の方が。



必死に救助活動をされている姿があり。



ビニールボートを漕ぎながら。



人々を避難所まで。



懸命に運んで下さっていた。






決壊した地域。



及びその周辺は。



広範囲で交通規制がかかっており。






危険区域。



進入禁止箇所。



通行止め箇所。



等。



それら規制がかかった地名に耳を傾けていると。






何も出来る術もなく。



『無力さ』



だけが募っていくばかりだった。






ただただ。



彼女の家族の無事を願い。



祈り続けている私だった。






私の自宅前の道路は。



その日の夕刻には。



ほとんど水は引いていたが。






まるで。



台風か何かで。



荒れ果てた浜辺が。



引き潮時に姿を現したかのように。






無数のゴミを巻き込んだまま。



厚い砂が延々に覆っていて。



夏の終わりに近づいているとは言えども。



日中の気温は高く。



汚水の臭いが漂い。



息をするのがキツかった。






昨日。



この汚泥に浸かってしまった。



私のパンプスやサンダルは。



洗っても洗っても。



汚水の臭いは消えることはなく。



後々。



その他にも。



私は様々なものを処分した。






後に聞いたことだが。



職場の上司や同僚は。



線路が冠水してしまい。



帰宅途中で電車が停止。



そのうちに送電も停まり。



大雨で締め切った。



温度が上昇するばかりの。



ほぼ満員の電車内で。



脱水症状と闘いながら。



一夜を過ごし。






また。



駐車場に停めていた職員の車は。



全滅だったという。






そんなこんなで。



私の職場は。



その週は休業となり。






河川が決壊した地域に住んでいる。






彼女と連絡が取れたのは。









2日後のことだった。























今夜はここまで。


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2019.9.26 藤色聚楽

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『つながらない電話』
2019-09-25 Wed 21:32


こんばんは。



藤色聚楽です(^^)



今夜のお題は、









『つながらない電話』









~昨夜の続きです~






いつの間にか落ちていた。



束の間に感じた眠りの間に。



ついに親友の側を流れる。



その河川は決壊していた。






そう伝えるテレビの字幕に。



ガクガクと震えてしまい。



テレビの前にしゃがみ込んだ。






まだ朝は5時半を過ぎた所だった。






夜明けから。



時間が経過してゆくと共に。



ニュースはこの大水害について。



どこもかしこも報じ始めた。






各局のワイドショー番組が始まる頃に。



職場から電話があり。



職場周辺一帯は。



一向に水が引いておらず。



災害時の『公休』扱いとなり。



その日は休みとなった。






その電話が切れる頃に。



テレビでは。



ヘリからの中継が始まった。






決壊した河川を中心に。



中継されていた。





いくつかある決壊ヶ所が。



テレビ画面に捉えられていた。






その中でも。



彼女の家の側を流れる。



河川の決壊場所は。






彼女の家から。



ダイレクトに真っすぐ真南に。



約200mほど南下したヶ所が。



ザックリとえぐれて。



河川の中の水と。



彼女の家が立ち並ぶ一帯の水が。



ひとつの『湖』のようになって。



繋がっていた。






『ハァァ............』






私は首を横に降りながら。



長い長いため息が出ていた。






普段、楽しく行き来していた。



彼女の家を思い出していた。






胸下くらいの高さに。



積み上げて建っているお家であったが。



中継の様子を観ている感じでは。



非常に厳しいと視た。






私は。



ダメ元で。



彼女の自宅の固定電話を鳴らしてみた。






やはり。






誰も出ることはなかった。






そして。






携帯電話も鳴らしてみた。






電源が切れているか。



電源が入っていない為。



かかりません。






とのことだった。






メールボックスへ問い合わせをかけてみた。






新着メールはありません。






とのことだった。









そこで。



遠方に住んでいる。



彼女のとの共通の友人から。









着信が入った。
























今夜はここまで。


本日もお読みくださり、ありがとうございます。


藤棚の下で。
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2019.9.25 藤色聚楽

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『願う夜』
2019-09-24 Tue 21:57


こんばんは。



藤色聚楽です(^^)



今夜のお題は、









『願う夜』









~昨夜の続きです~






父の。



警戒を強めるような電話でのあの声が。



私はしばらく耳から離れなかった。






父は。



ニュースの情報から。



今日のところ実家には。



駆けつけるべきではないと判断した、という。






伊勢湾台風当時の時代を振り返れば。



まだ。



電話で話が出来るだけマシだと言っていた。






そして結局。



夜が更けてきても。



親友から。



返信が来ることはなかった。






テレビの字幕では。



避難命令が出ている地域から。



彼女の住む地域が。



消えることはなかった。






無事に避難できていることを。



ただ願うしなかった。






私はその晩。



テレビを点けたまま。



音量OFFで消灯した。






停電に至っていないただけ。



本当に有り難いと思った。






当時はスマホはなく。



携帯は必ずしも。



インターネットにつながるものではく。



警報などが携帯電話に送られてくるシステムも。



まだ普及していなかった。






だから。



主な情報源は。



当時はまだデジタル化されていない。



アナログ放送のテレビだった。






避難を命令している地域が。



延々と字幕に出ていた。






私が幼い頃から。



慣れ親しんだ地域。






日常的に。



生活範囲である地域。






普段から。



行動範囲としている地域。






これらがズラズラズラと。



知っている地名が並び続け。



浸水被害に曝されている。



ということを示していた。






そして。



私は。



束の間に感じたが。



いつの間にか眠りについていた時から。



目を覚ました。






部屋の中が。



うっすらと蒼くなっていた。






子供の頬に触れてみると。



高い熱からは。



すっかり解放されていることに安堵した。






そして。



携帯を開いてみたが。



彼女からの返信は。



届いていなかった。






私は。



カーテンの端を開けてみた。






昨夜までの雨足は。



緩んでいた。






そして。



点けたままのテレビ画面を。



目を凝らして観てみた。






すると。






字幕には。






彼女の家の側を流れる河川が。










決壊していることを知らせていた。

























今夜はここまで。


本日もお読みくださり、ありがとうございます。


藤棚の下で。
また明日(^^)w゛



2019.9.24 藤色聚楽

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『警戒を強める声』
2019-09-23 Mon 18:16


こんばんは。



藤色聚楽です(^^)



今夜のお題は、









『警戒を強める声』









~昨夜の続きです~






遂に。



親友の家の側を流れる河川が。



危険水域を超えてしまった。






『避難命令』が。



ニュースの字幕にも出ている。






親友の家、その周辺を思い出してみても。



その家の前が川みたいになっているとか。



幼い子供を二人も抱えて。



どのように避難できるのか。



どこに避難するのか。



彼女も言っていたように。



私が想像しようとしている世界の中でも。



なかなか具体化出来なかった。






すると。



最新ニュースで。



今度は。



祖母の家であった父の実家の地域が。



広範囲に渡り。



床上浸水しているという。






『今度はそっちもか............。』






と、唖然とした。



ということは。






河川の有無にかかわらず。




山の遠近にもかかわらず。




都市中心部の交通網をも打撃し。






近郊の街をも全般。




生活にはなくてはならない。




『命の水』が。




『命を狙う水』となって。




ジワジワとあちらこちらを飲み込もうとしている。






この自分が住む地域は。



『避難準備』となっているだけで。



避難をしなければならない。



或いはそれに準ずる発令は。



されていないままであるけれど。






避難をするように言われている地域は。



私が住むその地域以上に。



切迫しているということになる。






『もう一度。電話してみようか............。』






私は。



右手に携帯電話を握りながら。



キッチンにある固定電話の前で。



しばらくためらっていた。






しかし。



河川が決壊したわけではないなら。



今はやめておこう、と思った。






そして。



『避難命令』が出たこと。



くれぐれも気を付けて過ごしてほしいこと。



等を。



携帯電話にメッセージを入れておいた。






時間帯からすれば。



幼い子供がある時間のサイクルは。



うちとそう変わらないはずだ。






彼女のお家も。



入浴の時間であると信じて。






床に着いている子供の体温を計り。



熱が上がっていないことを確認し。



私は急ぎ気味にシャワーを浴びた。






そして。



浴室から出てきて。



間もなくした時である。






父から電話が入った。



『そちらは避難準備が出てるな。いいか。これは伊勢湾台風以来の大水だ。避難命令が出ても、下手に外に出てはイカンぞ。車も出すなよ。』



警告を促すような口調でこう続けた。



『水嵩はな。増える時はアッという間だぞ。』



『そこは大きな河から離れているから、大丈夫かとは思うが。もし2階の部屋まで水が来そうになったら、上へ上へ上がれる所まで上がって行け。』



『水というものはトンでもない化け物だぞ。』



『油断するなよ。』



と。






伊勢湾台風を経験した父の。






今までで一番。






『警戒を強める声』を。









私はその時初めて聴いた。






















今夜はここまで。


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2019.9.23 藤色聚楽

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『傲り』
2019-09-22 Sun 22:11


こんばんは。



藤色聚楽です(^^)



今夜のお題は、









『傲り』









~昨夜の続きです~






私は。



付近一帯の水嵩が。



家屋の中の浸水に至っていることを。



目の当たりにした。






その時。



エントランスの反対側に位置する。



道路に面している一階のお宅から。



『もう時間の問題だ。』



と言っているのが聞こえてきた。






私は。



当時の流行りだった厚底のサンダルを履く足が。



どっぷりとくるぶしまで水に浸かりながら。



積み上げして建っているこの場所も。



屋内への浸水も間近かもしれない、と。



激しい胸騒ぎがした。






そして。



私は自室に戻るないなや。



心臓がバクバクした。






ニュースを伝えるテレビの字幕が。



遂に。



私の親友が住む地域に。



『避難指示』



を表示していた。






『避難』という文字を見ただけで。



いてもたっても居られなくて。



背筋がヒヤリとした。






私は。



彼女の自宅に電話してみた。






『すごい降ってるよね。何かね。家の前が川みたいになってきた。』






避難指示が出ていることは知りながらも。



確かに。



側を流れている。



曰く付きの河川のことは心配ではあるが。






その水嵩とこの雨では。



下手に動けないので。



このまま自宅で待機する、という。






この。



西暦2000年当時の私たちは。



伊勢湾台風も体験していない。



東日本大震災という大災害も未だ知らない。






災害に無縁で。



無知であった為に。



『まさか』



という『傲り』が。



心の何処かに在ったのかもしれない。






その電話では。



雨の行く末を心配しながらも。



ついでに。



約束している次週の打ち合わせ等をして。



明るく電話を切ったのであった。






その電話から。



僅か。



30分も経つか経たないかの頃であった。






親友の家の側を流れている河川が。






『危険水域を超えました。』






と。






避難を呼び掛けるニュースが。








繰り返されていた。

















今夜はここまで。


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2019.9.22 藤色聚楽

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『波立ち再び』
2019-09-21 Sat 21:28


こんばんは。



藤色聚楽です(^^)



今夜のお題は、








『波立ち再び』









~昨夜の続きです~






柱時計は。



日没までにまだ。



猶予がある時刻を指していたが。



テレビの最新ニュースは。



鉄道期間が続々と。



『運転見合わせ』を報じていた。






ということは。



私の職場の方々の中で。



帰宅できていない人が。



在るのかもしれない。






私は。



あれから向かいの道路の様子がどうなっているのかも。



気になっていた。






そのマンションの構造上。



部屋から道路の様子は。



見辛いくらいの隙間だった。






子供が眠りについて落ち着いた頃。



私は表へ出てみることとした。






道路から奥張った所にあるエントランスへ降りた時。



一向に勢いを緩めない雨の音の他。



いつもの『生活の音』というものがない、と思った。






裏道として。



交通量が多い道路で。



辺りは住宅地であり。



いつもならエントランスまで。



行き交う車の音。



人の行き交い。



等が感じられるが。






その日その時は。



その悪天候の通りに。



不気味な程に雨の音だけだった。






傘を叩く雨音は激しく。



思わず肩をすくめた。



そして。



駐車場へ出て直ぐ様。



私はピタッッと足を止めた。






『............。』






つい一時間半ほど前に。



医院を出た時に起きていた。



あの『波立ち』が。



私の隣の駐車スペースまで押し寄せていて。



波立ちプールさながらの光景を。



私は再び目にしていた。






そして。



ガーデニングに使われている。



木製の囲いや。



バケツやらが。



どこかのお宅からか流れてきていた。






台風でもないのに。



尋常ではないことだと。



心に震えが来た。






ということは。



この地域がこの状況なのだから。



親友の地域に。



何も起きてないわけがないと思った。






その親友も。



うちと同じくらいの子供が二人いる。






私は即座に自室に戻った。



この時間帯からして。



通常、親友宅も多忙であろうことを鑑み。



先ずはメールで。



保育園から無事に帰宅しているのかを尋ねてみた。






『帰ってきてるよ~。大丈夫☆〃』






とすぐに返信が来た。



道路はちょっと水が溜まってきていたが。



親友が通ってきた道は。



車は通行できていた。



とのことだった。






帰宅できているなら先ずは良し。



と安堵し。



夕食の支度に取りかかった。






そして。



日が落ちて。



目を覚ました子供に。



梅干し入りのお粥を食べさせていた時。






ついに。



鉄道路線の全線が。



運転を取り止めた、と。



最新ニュースが入った。






私はギョッとした。



カーテンを開ければ。



隣接している隣家の屋根から。



相変わらず大量の雨粒が一面。



跳ね返っていて。



部屋の灯が。



その雨粒を。


不規則で乱雑な水玉模様に映していた。






私は。



子供の食事が終わると。



もう一度。



エントランスへ出向いてみた。






すると。



私の車を含めた。



駐車場にある車の半数が。



タイヤの4分の1まで。



水に浸かっていた。






そして。



道路を挟んだ向かいにある住宅の。



冊子ガラスの玄関から。



室内で揺らめいている水面が。



部屋の明かりを反射して。



キラキラキラと。



輝いて煌めいていた。






居間と思われる部屋のカーテンが。



フワフワと水面に弄ばれるように。



半開きになって漂っていた。






『あっっ............。』






私は。



もう言葉がなかった。






そのお宅が。



完全に床上浸水していることを。



示していた。






停電していないことが。






不思議なくらいの。






水害の光景だった。


















今夜はここまで。


本日もお読みくださり、ありがとうございます。


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2019.9.21 藤色聚楽

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